「温故創新」220920 N1113 伊波喜一

英女王 統治の長き 70年 沿道の人 数十万か          

 台風14号は大風・大雨をもたらして、今朝太平洋側へと抜けていった。それにしても、自然の猛威の前には、為すすべもない。とにかく、災害を避けることが最優先である。

 エリザベス女王国葬が、19日ロンドンのウェストミンスター寺院で行われた。英君主としての在位70年、国民とともに歩んだ悲喜こもごもの歩みは、国民の心に様々な記憶を残している。

 出席者2000人の内、外国の要人は500人ほどにのぼる。天皇皇后陛下も参列した。

 沿道に並ぶ一般市民は、12時間、24時間前から並んでいた。思い思いのプラカードを掲げたり、沿道に並ぶ市民に紅茶をふるまったりと、日本流の葬列らしくない自然体が英国らしくて良い。

 ロンドンオリンピックで007の1コマを演出して開会式に臨んだりと、女王の気さくな人柄も人気の一因であったろう。

 しかしそれ以上に、国難に立ち向かい、国民とともに不況の波を乗り越えてきたその振る舞いに、一般大衆は心を開いたのだ。

 「生涯、国民とともに歩む」と宣言した通り、女王は信念を貫いた。時には重責の重さに、投げ出したくなる時もあったかも知れない。だが、最期まで責務を果たした。

 その国民第一の姿勢を貫いた指導者を、英国は失った。英国の本当の試練は、これからであることを痛感する。