「温故創新」231020 N1318 伊波喜一

空が青く澄み渡り、陽射しが眩しい。今日は上さんの誕生日である。 

 地球温暖化に伴い、ハブクラゲオニダルマオコゼなどの海洋生物への対応が、身近に迫ってきた。ハブやヤマカガシなどの毒蛇も、温暖化の影響で活動期間が長期化し、被害に遭う可能性が高まっている。 

 現代では遺伝子工学の技術を使って、それらの抗体を作り出している。いわゆる「抗体医薬」で、がんの治療薬「オプジーボ」やリューマチの治療薬「アクテムラ」などがそれに当たる。

 これらは、新型コロナウイルス感染症の治療でも使われている。ただ、遺伝情報がそれ以前と大きく異なる変異ウイルスのオミクロン株には、効き目が弱かった。

 血清治療は、破傷風菌の純粋培養に成功した北里柴三郎博士が開発した。血清治療は毒を持った個体から採取した毒を薄めて、ウマに複数回注射する。ウマの血清から毒を中和する成分を集め、製剤化する。

 治療の強みは、抗毒素(たんぱく質)への多様な抗体を含んでおり、まとめて毒へ対処できるところにある。弱点はウマなど動物の血清をもとに作っているので、アレルギー反応などの副作用を起こしやすい。 

 とはいえ、抗体医薬では対応に時間と手間がかかりすぎる。その点、血清療法はいざという時の特効薬である。製造には手間暇がかかる上に、大量生産出来ないのでコストがかかる。

 だからこそ、国が支援を積極的に押し進めていきたい。