「温故創新」231015 N1317 伊波喜一

いざという 時のためには 必要な お一人様の 「困った」対策      

 雨混じりの今朝は、風が冷たい。やっと、晩秋がやってきそうだ。  

 身寄りのない高齢者を対象に、入院時の身元保障、死後の葬儀や遺品処理などのサービスを提供する事業者が増えている。だが、契約を履行する際にトラブルも増加している。かつてのように家族の支援を受けられない人が増えているので、契約時にアンケートを取り入れて、トラブルを最小限に食い止めている。

 例えば、保健制度の手続きはどうするのか、残った空き家やペットはどうするのか、葬儀の形態や宗派はどうするのか、誰にこれらの事を伝えるのかなど、詳細にわたる。

 現在、中期的には自治体が事業者を認証して優良な事業者の情報を提供している。長期的には国や自治体の役割を明確にして、個人任せにしてはいけない段階まですでに来ている。

 今後、未婚や離婚、配偶者との死別など、高齢化に伴う課題は、急激に増加の一途を辿る。個人においては、課題を明らかにして自身の意思を明確にしておくべきである。また行政においては、1人暮らしの段階から、入院、死亡に至る各段階でどのようなケアが必要か、明文化しておかなければならない。

 子育てと同じように老後の看取りには、周到な準備と予算の確保、人手をかけなければ、計画そのものが頓挫してしまう。社会的な合意を得て、公的年金をどの範囲まで投入するか、明確にすべきである。