「温故創新」210311 N692 伊波喜一

復興の 10年が過ぎ 足枷と 所有者不明 法案改正           

 青い空に風が強い。上空の大気が渦巻いているようだ。

 東日本大震災から、今日で丸10年が経つ。ついこの前のようでもあるが、個人的にはこの間いろいろとあった。

 10年1区切りと言うが、区切るのはそう簡単なことではない。 

 東日本大震災の後、復興の障害になった一つに「所有者不明土地」がある。

 個人の財産を、国や自治体が勝手に処分するわけにはいかない。瓦礫の撤去や整地、区画整理など、再開発や公共事業を進める際の障壁になっている。 

 今国会では、民法の改正案が審議される。審議の論点は以下の通り。

 相続登記を現在の届け出制から、義務化する。登録免許税や手続きを委任する専門職への報酬などの費用を、軽減する。

 裁判所の許可を得れば、売却出来る。相続で得た土地を売却するには、10年分の土地管理費を納付し、国庫に帰属させることを認める。

 その場合は自治体への寄付扱いとなり、申請者側の費用負担が軽減される。

 全国では、土地所有を負担と感じる人が4割を超えるという。宅地や農地でもそうだが、山林や雑種地、原野や墓地などの管理は手間暇がかかる。相続者が代替わりすれば、相続が曖昧になりかねない。

 不明地を出さない取り組みを、急ぎ進めたい。