「温故創新」200625 N463伊波喜一

夜明け前 地面の底の うねりたる 成すすべもなく 目を凝らしつつ 

 夜明け前、地震の長揺れで目を覚ます。揺れがなかなか引かず、家が壊れるのではないかと思った。

 地殻変動が起きているのかも知れない。 

 国内初のワクチン治験へ向けて、大阪大発の製薬ベンチャーが動き出した。新型コロナウイルスワクチンの安全性や効果を調べるため、国内で初めて人に投与する治験を始めると発表した。 

 使うのはDNAワクチンと呼ばれるタイプで、ウイルス表面にある「スパイクタンパク質」を作る遺伝子を投与する。

 体内でこのタンパク質が作られると、免疫がその特徴を覚えて抗体が出来る。ウイルスが侵入すると抗体が結合し、感染症や重症化を防ぐと期待される。 

 検査方法はウイルス感染歴のない健康な成人を対象に行う。

 投与量の多いグループと少ないグループ各15人に、2回ずつ筋肉注射をする。

 重大な副作用がないなど安全性が確認されれば、秋には400人規模に拡大する。そして、抗体が出来るかを確認する。 

 スパイクタンパク質はウイルスが細胞への侵入に使う部品で、これ自体が感染症を引き起こす可能性はないと言われている。

 毒をもって毒を制すという。人体は毒でさえも薬にかえてゆく力を秘めている。その潜在力には舌を巻く。