「温故創新」201118 N594 伊波喜一

ワクチンの 有効性に 光あり 輸送保管の 課題解決 

 朝から暖かい。Yシャツ1枚でも、動くと汗ばむ陽気だ。季節の変わり目だけに、体調管理に留意したい。 

 新型コロナウイルスのワクチンの早期実用化への期待が、一段と高まっている。

 米バイオ医薬品企業モデルナは、開発中のワクチンの臨床試験(治験)で95.5%の有効性が見られたと発表した。 

 開発中のワクチンは保管や輸送のたやすさが特徴で、2~8℃の標準的な医療用冷蔵庫では1カ月間保管できる。マイナス20℃なら、6カ月も保管できる。 

 現在、米ファイザー社と独ビオンテックが共同開発しているワクチンの治験も、9割超の有効性を発揮している。

 しかし、保存法に難があり、マイナス90℃での冷凍保存が必要となる。通常の冷蔵保管では5日間しかもたず、輸送に課題がある。 

 モデルナは米当局が認可すれば年内に2千万回、2021年に5億~10億回分を製造できるとしている。

 この報を受けて、ニューヨーク株式相場は2万9950ドルと史上最高値を記録した。ワクチンの実用化で滞っている経済を動かし、消費を喚起することへの期待感が現れている。 

 私達には、安心で安全な生活を営む権利がある。生存権を満たすものに、人の心はなびくのだ。