「温故創新」200624 N462 伊波喜一

生活の 裾野広げん スパコンで 一番目指して 世界を潤す          

 画期的なニュースが飛び込んできた。理化学研究所富士通が開発したスパコン「富岳」が、スパコンの計算速度ランキングで世界一になった。これは「京」以来9年ぶりの偉業である。富岳の計算速度は、1秒間に41.6京回。しかし、計算速度に特化することを競わず、使いやすさを求めた結果がこの成果につながった。オンリーワンからナンバーワンへと花開くことになった。 富岳の特徴は、ユーザーの裾野の広さである。京は計算速度は早いものの汎用性がなく、科学や医学、教育、産業界での活用が乏しかった。その京の教訓を活かし、自動車メーカーから生命科学研究者に始まり、AIやディープラーニングに至る多次元の分野での転用機能をつけている。 例えば、新型コロナウイルス感染症対策では、咳のしぶきの広がりをシュミレーションし、予防を促すなど着実に実績を上げている。 富岳の本格稼働は来年である。研究チーム主任は「社会の役に立てる研究開発を目指して、富岳を開発してきた」と語っていた。チーム一丸となり、人類の幸福に寄与するという目標を明確にして、研究開発している点に感銘を受けた。 何のため・誰のためという原点を持ち続けたい。