「温故創新」200628 N464伊波喜一

香港の 一国二制度 骨抜きに 自由と民主 気に障る国

 日中の暑さで寝苦しい。夜中に目覚め、しばし読書。それから寝入る。暑さはこれからが本番である。 

  中国全人代常務委員会は、28日から会議を行い、香港への統制を強化する「香港国家安全維持法案」の審議を再開する。 

 20日に公表された法案概要によると、処罰対象とするのは、国家分裂や政権転覆、テロ活動、外国勢力と結託して国の安全に危害を与える行為である。

 「主要な責任を負う」組織として香港政府が設けるのが、行政長官をトップとする国家安全維持委員会である。

 違反者の裁判では「行政長官が裁判官を任命する」と規定している。判決にも中央の意向が反映され、「司法の独立」が担保されない。 

 一方、中央の直接関与を可能にするのが、出先機関「国家安全維持公署」の新設だ。

 「特定の状況下のごく少数の犯罪」を取り締まる。また、法案の付則には「香港の法律と本法が一致しない場合、本法の規定を適用する」と明記し、香港の全ての現行法より新法が優先されることを念押ししている。つまり、香港の高度な自治を否定し、一国二制度を骨抜きにする法案である。

 これは対岸の火事ではない。権力の魔性と闘わずして、民主を勝ち取ることなど決して出来ない。