「温故創新」231026 N1321 伊波喜一

初対面 にもかかわらず なついてる ひ孫の姿 目に焼き付けん      

 足かけ7日間、沖縄へ帰省した。娘にとって数年ぶりの里帰りだ。

 沖縄は陽射しが強く、肌を刺す。娘が生まれた時から世話をしてもらっている義母(孫からみて曾祖母)に、婿とひ孫を会わせた。

 孫は義母と初対面にもかかわらず、すんなり抱かれている。コスタリカで多くの人に抱かれているので、その影響もあるだろう。それにしても、義母の膝の上でニコニコしながらあやされている。血は水よりも濃い、ということを感じる。

 娘は実家で生まれ、生後2カ月で小生の赴任地のグアムに戻った。その時、義母が付き添ってくれた。勘の強い子で、誰にでも抱かれるわけではなかったが、母や義母にはなついていた。その義母が両腕に抱いて飛行機に乗ると、そのまま寝入っていた。義母は1ト月間滞在してくれ、何くれとなく娘の世話をしてくれた。

 その孫(娘)が結婚して海外に住み、子どもをもうけたことに、義母は心配しつつ、感心もしているようだった。

 曰く「海外で生活するということは、苦労があって当たり前さ。手助けしてあげたいけど、こちらからは何もしてやれない。でも、もう母親になったんだから、腹を決めて子どもを育てるしかない。自分が強くなるしかないのさぁ」。

 さすがに戦禍を生き抜き、5人の子どもを育て上げた義母は、不屈の人である。娘にとって、最高の祖母孝行となったことであろう。