「温故創新」221119 N1141 伊波喜一

長旅の 疲れ吹き飛ぶ 初孫の 知らせ届くや 到着した後

 長旅の終わりは、嬉しい知らせだった。初孫は男の子、3040㌘。自然分娩だった。予定日より1週間ほど早かった。初産なので予定日より延びるだろうと思っていたが、案に相違した。

 翌20日、カルデロン・グアルディア病院に行き、夫婦で孫を抱いた。手足が細く、泣き声もか細い。顔立ちは娘の赤ちゃんの頃と、瓜二つである。ラテンの血が混じっているようには、見えない。

 とにかく丈夫に育つようにと、祈るような思いだ。紛争の絶えない時代だけに、この子が大道を真っすぐに歩き通してほしい。

 それにしても、たった1日前に一人で母胎からこの地上に生まれ出てきたのだから、恐怖心やらで一杯であろう。だから生き延びるために、全生命力で叫び続けている。その姿が何とも健気で、愛おしい。 

 退院は原則、翌日。産後の肥立ちで1ト月は床に伏した生活をする日本では、考えられない。所違えばの感を深くした。

 出産後には早速、身内の訪問があった。母胎の心身の疲れを一応考えてはいるのだろうが、滞在時間が1時間以上と長い。また、頻繁に訪問してくる。それだけ、熱量が高くて多い。もし私達が手伝いに行かなかったなら、娘は疲れ切ってしまっただろう。ともかく、こうして出産後の手伝いをすることができ、胸を撫でおろした。

 その国特有の文化は人々の暮らしと密接に結びつき、生まれたてきたものである。その先に、人生という路が形を成していく。