「温故創新」230318 N1199伊波喜一

さり気ない 娘の成長 嬉しくて 外の寒さも 気にならぬかと

 昨夜遅くから降り続いた雨が、今朝は音を立てて降っている。2月半ばに戻ったような寒さだ。重ね着をして、ストーブを焚いた。この寒の戻りが、体調を狂わせる。

 下の娘が4月から転勤し、新天地で生活する。引き継ぎや引越しの準備で忙しいだろうに、わざわざ実家まで顔を出した。筆者の再雇用満期退職と、私達夫婦の第3の人生を祝ってのことだった。

 2年前初就職した際には、中華料理店に招待してくれた。決して言葉数が多いとは言えない娘だが、私達を気遣ってくれていることが伝わってきた。

 神経を集中させる仕事だけに、身も心もすり減るだろう。そんな中、親のことにまで神経を配れるようになったことに感謝した。 

 今回は義弟も満期退職する。大学在学中は離れて住む私達夫婦に代わって、義弟夫婦が誕生日やら食事やらに招いてくれた。何くれとなく世話をしてくれ、話を聞いてくれた。

 その二人にも、お礼の品を贈るという。娘が感謝の気持ちを忘れず持ち続けていたことに、人として成長してきていることを感じた。

 子や孫が社会で名を挙げることは、嬉しいことである。それ以上にに恩を忘れず、恩を返していこうとする姿はさらに嬉しい。

 人はひとりでは生きていけない。恩を感じて恩を返す。その喜びに勝るものは、ないのではなかろうか。