「温故創新」220429 N1028 伊波喜一

全身の 臓器と密に 連携を 腸の働き 原腸形成       

 昨夜から冷え込んでいたが、今朝からの雨でさらに寒くなった。つい先頃までは半袖でも暑いぐらいだったが、季節が冬に戻ってしまったようだ。体調も狂いがちになるわけである。

 腸は消化を助け、排泄を促し、体調を調節する。その腸は、全身の臓器と密接なネットワークを形作っている。腸は受精卵から胎児に育つ過程で、最初に出来る器官である。これは原腸形成とよばれる。

 受精卵が分裂し、細胞を増殖していくためには栄養が必要である。その栄養を吸収するためには、腸の存在が不可欠となる。そこから臓器や筋肉、骨、脳や神経へと広がっていく。

 人間の体内で生成できる消化酵素は、20種類ほどと言われている。一方、腸に共生する細菌たちは、その500倍の1万種類もの消化酵素を生成すると考えられている。そうした共生細菌たちが私達の食べたものを分解し、栄養素に変えてくれる。

 腸には1000種類、100兆個ともいわれる腸内細菌が存在し、私達の体調に影響を与えている。大腸がんや糖尿病や動脈硬化、アレルギー疾患なども、腸内細菌の影響を受けている。

 まさに、腸は縁の下の力持ちを果たしている。その姿は、利他の働きそのものと重なってみえる。

 適度な栄養と運動、睡眠に加えて、利他の心がけで生きるならば、腸内細胞が活性化することは論を待たないだろう。