「温故創新」230908 N1283伊波喜一

性加害 認め謝罪の 声上げる 見て見ぬフリの 体質改め   

 台風13号が線状降水帯も重なり、日本列島に大雨をもたらした。 

 7日、ジャーニーズ事務所は、故ジャニー喜多川氏による性加害についてその事実を認め、謝罪した。藤島ジュリー景子社長は、引責辞任した。新社長には、所属タレントの東村山紀之氏が就任した。

 会見では冒頭から、喜多川氏の行為を「人類史上最も愚かな事件」「鬼畜の所業」と強い言葉で批判した。事務所が設置した専門家チームの報告を受け入れ、補償をしていくと明言した。

 しかし、具体策は述べなかった。最も肝心な社名「ジャニーズ」も、今のところ変える予定はないとのことだった。性被害を受けた人達への配慮が足りないと感じるのは、筆者だけではあるまい。

 東山氏自らが性加害の事実を知っていたのか質問が相次いだが、愚問に近い。絶対権力者(プレデター)の差配の元で、所属タレントの一体誰が声を上げられるだろうか。それも、一度も外の世界で働いたことがなく、社会的経験のない子ども達がである。

 今回の一連の出来事は、英BBCの報道が風穴を開けた。その間、日本のマスコミや企業は何をしてきたのか。事務所タレントの人気に乗り、クサいものには蓋をしてきた。それが被害を加速させた。形ばかりの謝罪文を出し、今度は手の平を返してジャニーズ事務所を叩く。

 全く幼稚である。自らの無謬性に疑いを持たないマスコミやスポンサー企業の姿勢こそ、省みなければならないのではないだろうか。