「温故創新」230831 N1275伊波喜一

性加害 見て見ぬふりの 体質を 事務所とメディア 共犯関係   

 ジャニーズ事務所の故ジャニー喜多川氏による性加害問題を受け、事務所が設置した外部の専門家による「再犯防止特別チーム」が29日、性加害を認定する調査結果を公表した。

 調査チームは5月からの3カ月で、被害を訴える元Jr.のほか、現役タレント、事務所関係者等41人から聞き取りを行った。

 報告書ではジャニー氏と姉のメリー喜多川氏が長らく社長と代表取締役を務め、同族経営をしてきた。

 ジャニー氏はJr.の採用、レッスン、デビューなどプロデュースを全て判断して決定しており、絶対的な権力を握っていた。その権力者に対して、Jr.達が性加害を拒むことは極めて難しい。デビューして有名になりたいというJr.の心理に付け込んで、性加害を増幅させた。少なくとも数百人がその犠牲になっていると、断定している。 

 姉のメリー氏は弟の「性嗜好異常」を知っていたにもかかわらず、対策を講じず、放置した。それが結果的に、多くの青少年の被害を拡大させ、自殺にまで至らしめた。

 マスメディアも過去に疑惑の声が上がったにもかかわらず、真実の究明をしてこなかった。事務所とのウィンウィンの関係に、亀裂を生じさせたくなかったことは疑いない。「長い物には巻かれよ」で、人権感覚のない呆れた体質が暴きだされた。

 日本がいかに人権後進国か、世界は呆れかえっていることだろう。