「温故創新」221024 N1129 伊波喜一

腹心で 固めた人事 危うきか 命令一つで 人は動かじ             

 昨日の暖が一転、今日は朝から寒い。途中で雨も降ってきた。ここで体を冷やすと、風邪を引く。油断大敵である。

 中国共産党大会が開かれた。中国共産党を2期10年率いてきた習近平氏が、3期目を担うことが昨日決まった。

 これまで「68歳以上なら引退」という慣習を破り、党規約を改正した。最高指導部である常務委員の人事では、習氏の出身母体である太子党で7人中4人を固めている。着実に布石を打ったと見てよい。 

  中国の統治制度は、権力分立を否定している。共産党の一党支配体制なので、党の最高指導者の力が突出すると、歯止めが効かなくなる。これは、文化大革命が端的に証明している。

 そのために、永遠の権力者を出さないようにするために、権力者の選び方と縛り方に知恵を尽くした。それが、国家指導者の任期制限だった。任期制限というストッパーをかけることで、国内外のバランスを取ろうとしてきた。

 その誓約をいとも簡単に破ったところに、今後の中国の脅威がある。 日本としては対中国との対話を切らさず、友好関係を維持していくことが求められる。

 同時に、周辺諸国と連携して、中国の暴走を抑えていくことが不可欠である。敵対して争っても、益はない。対話の糸口を切らさずに、どう折り合いをつけていくか、思案のしどころである。