「温故創新」221020 N1128 伊波喜一

悩まずに 一人で生きる ことできず 悩み膨らむ 人間関係             

 朝晩の冷え込みが厳しい。陽が落ちると、暖を取らないと体が冷え込む。一日一日と冬支度に向かっている。

 人との関係ほど難しいものはない。一日、誰とも関係せず生活することは出来ても、それを一生続けるわけにはいかない。人は誰かしらと関係しなくては、生きていけない生きものである。

 人間関係の難しさは、「怨憎会苦(おんぞうえく)」や「愛別離苦(あいべつりく)」などの言葉が、表わしている。

 怨憎会苦は、会いたくない人に会わなくてはならない苦しみである。話の分からない上司や気の合わない同僚と、仕事をしなくてはならない。離職する要因の半数以上は、人間関係の行き詰まりと言われている。仕事のきつさ以上に、上司の無理解や顧客からの理不尽なクレームなどが心を壊すのだ。 

 愛別離苦は、大切な家族や仲間と離れ離れになる苦しみである。罪もない人々が無差別砲撃を受け、虐殺されている。生き地獄そのものである。一指導者によって引き起こされた戦争の影響は、深刻である。この状況を、被害にあった人々は決して忘れられないし、許さない。 

 その相手との関係を築き直すには、長い年月と忍耐がいる。自らの心を律していかなくては、自らが業火に焼かれてしまう。恩讐を克服するのは、観念ではない。それぞれが人間革命し、自らの心を善に高める以外に、乗りこえる方法はない。