「温故創新」231219 N1352 伊波喜一

人と人 この関係の 難しさ 自らを知り 相手をも知り       

 空気が乾燥している。湿度が50%を切って、目がかさかさする。

 人と人との関係ほど、難しいものはない。コミュニケーションを取ろうにも、相手に合わせ過ぎると疲れてしまう。さりとて、こちらの意思を通し過ぎると摩擦が生じ、無用の衝突を繰り返しかねない。

 無視することも関わることも出来ず、深みにはまる。そうならないためには相手を見極め、適度な距離を保つことが不可欠となる。

 学生を卒業して就職すると、人間関係が重くのしかかってくる。仕事の中身以上に、ウエイトが大きい。ストレスの大半を人間関係が占めると言っても、決して過言ではない。

 ところが、40数年も働いていざ退職すると、会社関係の人と交わることがほぼ無くなる。無理して付き合っていた人とは、尚更である。必ずしも、付き合いが必要であったわけではないということだ。

 だから、無理して付き合って神経を擦り減らすより、付き合う必要のない相手とは距離を置くことが大事だ。そのような手合いに変化を求めても、先ず変われない。進歩が望めないので、徒労に終わる。 

 それよりも付き合う相手を見極めて、その人と今後どうしていくのかに神経を使っていくのが価値的であり、精神衛生上も好ましい。

 筆者は還暦をとうに過ぎて、やっとその事に気づいた。この間、随分回り道をしてきた。その分、無駄も多かったが、そのお陰で付き合う相手の見極めもついた。そのことを、良しとしたい。