「温故創新」220121 N995伊波喜一

新聞の 未来に何を 残すべき 闇照らしつつ 希望与えん         

 朝5時の外気温は、マイナス3℃だ。ベランダに干してある洗濯物が、パリンと凍っている。戸外全体が、巨大な冷凍庫になってしまっている。そのせいか、電車の暖房では体が温まらなかった。

 前ワシントンポスト社のマーティン・バロン氏が、ジャーナリズムの未来について語っている。実に味わい深い。

「変わってはいけないものは、変えるべきものと同じぐらい、我々の将来にとって重要である。ジャーナリズムの中核的価値観と原則は、変わってはならない」。

「ジャーナリストたちが単に自己満足のための仕事をしているのか、それとも読者のニーズを満たしているのか、問われる」。

「新聞社の将来への投資が、出来ているか。経営の合理化を図る目的で、単に人を減らし続けることが正解ではない」。

「新聞ビジネスの性格の変化に伴って、適切に資源が配分されているかを評価しなければならない。同時に若い世代を開拓しなければ、20年後には読者がいなくなってしまう」。

「闇照らす記事とニーズの両輪で、読者に価値を示せ」。

 現代のニュースには、即時性が求められる。しかし、それだけを追求すると深みがなくなる。新聞の目的である闇を照らすには、先ず人を育てなければならない。深き哲学と闇を拓く使命が新聞にはあることを、忘れてはならないだろう。