「温故創新」230123 N1163伊波喜一

教員に 人集まらず 敬遠の 急場しのぎに 無免許承認

 日中でも気温が上がず、底冷えがする。 全国的に教員の成り手がない。その理由として、残業代が払われずにただ働きさせられる、やることが多すぎるなどが挙げられている。その他にも、部活や保護者対応、子ども同士のトラブルの解決などに時間を取られる。

 教員の本来の仕事は、勉強を教えることにある。子ども達に教えたくて、教員になっている。その本業が他の業務で疎かにならざるを得ないところに、教員離れが加速する原因がある。

 文科省の指針には、なるほどと思わなくはないものある。例えば、生きる力を育むやSDGsの推進、地球環境保護のためのCO₂削減などは今日的な課題であり、避けて通れない。

 しかし、それらを全て行うには時間がかかる。限られた教育課程の中で、教科指導に加えいくつもの課題に取り組むには、別途プロジェクトチームを立ち上げなければならない。それだけ人手が要る。

 ところが、現場では正規教員をぎりぎりに抑え、非常勤や講師に対応させている。元来、その立場の人達に責任を負わせるのは、本末転倒である。中でも最たるは、副校長職である。全ての業務を点検しその責を負わせているが、明らかにオーバーワークである。

 家族の団らんや個人の趣味や志向を尊重できない組織に、誰が魅力を感じるだろうか。これは学校だけの問題ではない。広く日本社会が抱え続けてきた、ひずみそのものではないだろうか。