「温故創新」221011 N1121 伊波喜一

指示待たず 自らの意思 強く持ち これからの世の 担い手たらん             

 今週は一時的に、天気が回復するとのことだ。暖かくて、爽やかな陽気である。秋はしみじみ、いいものだ。

 京都先端科学大学の理事長で日本電産会長でもある永野重信会長が、新卒の10年後の仕事の成果に言及している。いわゆる一流大学卒と三流大学卒新入社員の、10年後の成果を追いかけてみた。

 すると、両者の10年後の仕事の成果には大きな差がなかったことが分かった。一流大学は偏差値(IQ)が高い。だから、仕事もばりばり出来て、成果を上げると思われがちである。

 ところが、実際には三流大学卒の方が成果を上げている。ナゼか。それはEQの違いだ。相手の気持ちを読みとるEQ力は、能動的に取り組めば組むほど力を発揮する。これは自ら考えて行動しなくては、身につかない能力である。

 IQの高い生徒は、与えられたことを学ぶ力は優れているものの、道なき道を拓く努力や工夫が足りない。だから、地道に続け抜く三流卒に追い抜かれてしまう。全てそうだとは思わないが、一面の真理を言い得ている。

 長い人生においては、50代、60代でさえ、通過点に過ぎない。そのあと数十年もの時を決するのは、粘り強く努力し続けることであろう。凡才の強みは、自らに奢ることなく努力し続けるところである。

 才能の開花は、平凡な日常の積み重ねにこそあるのではなかろうか。