「温故創新」220526 N1040 伊波喜一

人の性(さが) 自他を区別し 優越に 命の法則 十界論を     

 しばしの晴れ間の中、サクランボの根元から生えている「ひこばえ」からアリたちがはい回っている。はたらきアリとはよく言ったもので、脇道に逸れることなく目的に向かって歩き続けている。

 インターセクショナリティとは、「差別をよく見よ」という意味である。発端は米国の黒人女性たちの怒りである。女性差別と黒人差別が相まって、米国では抑圧常態へと化している。

 先頃も、黒人を狙った無差別テロが起きたばかりだ。人種的差別から起きた殺戮だけに、米国社会の闇の深さを実感する。

 沖縄にもその事が当てはまる。内閣府の資料によると、沖縄県民一人当たりの所得は全国最下位である。高校中退率も全国一であり、子どもの相対的貧困率も29.9%に達し、全国の13.5%の2倍以上である。

 この原因は終戦後の占領政策に起因するものであり、負の連鎖そのものである。例えば、沖縄の混血率の高さは、本土とは比較にならないぐらい高い。一挙に、母子世帯出現率を押し上げる。それは一家の稼ぎ頭を失うことであり、世帯収入の減少に直結する。

  沖縄問題の根の深さは、基地の代償に莫大な補助費を与え続けてきたことで、反対の意思を表明できなくなったことにある。

 その根幹に横たわる米軍の占領政策基地問題を解決しない限り、この課題は永遠に続く。