「温故創新」201026 N573 伊波喜一

AIで うつぶせに寝る 赤ちゃんを カメラでとらえ 検知するかな 

 昨日掃いたばかりなのに、今朝はもう葉が落ちている。木々たちも冬の準備に余念がないようだ。 

 うつぶせに寝ていると、赤ちゃんの窒息死や乳幼児突然死症候群(SIDS)の発生率が高まる。

 厚労省は、1歳になるまではあおむけで寝かせることを奨励している。保育現場では、昼寝の時間に保育士が見守り、うつぶせになっている赤ちゃんをあおむけに直している。 

 しかし、現今の保育は0歳から始まる。この年齢では、自力で寝返りを打てない。また、ふわふわした布団や毛布では息がしづらい。万が一、嘔吐した場合には、嘔吐物で顔が塞がれて窒息することもある。 

 何よりも、保育現場の多忙さに引きかえ、人手が足りていないことが事故を誘発しやすい。

 そこに登場したのが、AIを使った検知方法だ。カメラで寝ている赤ちゃんを撮影し、専用の機器に映像を送信する。

 すると、AIが姿勢を検知する。あおむけを「正常」、横向きを「注意」、うつぶせを「危険」と認識し、登録しているLINEにメッセージを送る。検出精度は85%程度である。かなりの精度である。換言すると、残りの15%は人の目で補わなければならないということになる。この15%の意味を、どう考えるかである。

 利便性の追究に走ると、おもわぬ陥穽にはまらないか案じられる。