「温故創新」201116 N592 伊波喜一

分断と 憎悪の社会 立て直す 経済再生 命の重み

 イチョウ並木が色づいている。赤・茶・黄色に混じって薄緑の葉が、顔を覗かせている。わずか2~3日で、自然は大胆に表情を変える。

 社会全体で、分断と憎悪が広がっている。

 米国大統領選に見られるように、互いが互いを信頼できず反目し合う。これは、米国だけの問題ではない。

 トランプ氏はやっと、バイデン氏への敗北を認めたが、この間の騒動を拡散した罪は大きい。 

 米国に倣って、日本でもリベラルの考え方が普及していた。

 しかし今、リベラル的な価値に対する反発は大きくなっている。その根底には、リベラルな言動を取ることの出来る人々がエスタブリッシュになっていることが挙げられる。 

 労働運動や教会、町会活動といった個人を支えるソーシャルキャピタル(社会資本)がなし崩し状態になり、資産価値は下がり、公助もあてに出来ない。 

 今後の舵取りは難しいが、社会保障制度を最低限残しつつ、個人を支える制度に投資していくことが大事である。

 教育や出産・育児、保育、介護など、個人の力を発揮できるように下支えをする。そして、税金を納め、国民に還元し、潤いのある生活を皆が送れるようにする。 

 経世済民の極意は、皆が食べられることに尽きる。