「温故創新」201025 N572 伊波喜一

核兵器 廃絶に向け 条約が 50カ国と地域 批准へ 

 朝晩の寒さとは裏腹に、日中は半袖で過ごせるほどの陽気だ。コロナ禍のなか、紅葉を愛でようと出かける人も多かったのではないだろうか。 

 核兵器の開発や製造、保有、使用などを禁じる核兵器禁止条約批准国・地域が24日、条約の発効に必要な50に達した。条約は90日後の来年1月22日に発効する。 

 核兵器禁止条約は2017年7月に国連で、122カ国・地域の賛成で採択された。しかし、核保有国の米国、ロシア、英国、フランス、中国、NATOはこの条約に反対している。 

 国連のグテーレス事務総長は「発効は、核爆発や核実験の被害を受けた生存者に対し、敬意を表するものだ」と発表。

 実の姉と甥のほか多くの級友を失った、カナダ在住の被爆者サーロー節子氏は「何十万人の死を意味のないものにしたくない。どの人間にも、そういう犯罪は許されない。われわれ被爆者が経験したことは、人間が経験することじゃない」とコメント。

 菅総理に対して「独立した判断力のあるリーダーシップを期待する。日本が変われば、世界が変わる」と期待した。与党の公明党は「会議を広島や長崎で開催したい」と意欲を示している。

 唯一の被爆国である日本には、核廃絶を訴える権利と義務があるのではないだろうか。