「温故創新」240830 N1495 伊波喜一

これまでの 常識破り 覆し 自然の猛威 人為の粗末よ     

 庭の渋柿の実に、アリがたかっている。熟すると甘味が出ることを知っているようで、まだ青い実の内からヘタの回りに群がっている。

 これまで、低いところに成っている実は、鳥たちの餌食になっていた。今、残っているのは高いところばかりで、手が届かない。

 それでも僅かに残っている青い実を、梯子をかけて1個ずつ捥ぎ取った。小粒なものばかりだが、全部で11個取れた。焼酎に漬けると、甘くなるらしい。試してみようと思う。

 台風10号は九州から東北まで、広範囲に水と風の被害をもたらしている。同時多発型で進路が遅いうえに、日本列島に覆いかぶさっている。むしろ、張りついている。これまでには見られない形の台風である。このような異常現象が、これからは常態化すると懸念される。

 防災・減災だけでは十分とは言えず、住む所や生活の拠点を選択し、選定する時代に入ってきたことを実感する。

 このような自然災害は言うに及ばず、原発や軍事基地など人為的影響下にあるものも含めて、今まで隠蔽され無視されてきた空気や水の汚染などの事実が明らかになるにつれ、人として住める範囲が狭まってきていることを痛感する。

 幸福に生きることを目指したはずが、自然界から逆襲を受けている人間。その日その日を生き抜く鳥たちに比べて、人は何と贅沢で欲張りな生き方をしているのだろうと、思わせられる。