「温故創新」241012 N1532 伊波喜一

永年の 願い貫く 核禁止 被団協に ノーベル平和賞       

 乾いたような木々の葉擦れが、庭先から聞こえてくる。日中の陽射しは強いが、秋の訪れを感じる。収穫までに風水害が無い事を願う。 

 ノルウェーノーベル賞委員会は11日、2024年のノーベル平和賞日本原水爆被害者団体協議会(被団協)に授与すると発表した。

 受賞理由として、「核兵器のない世界を達成するための努力」と、「核兵器が二度と使用されてはならないことを証言を通じて示した」ことを挙げた。残念ながら、日本政府は唯一の被爆国でありながら、廃絶に賛成していない。ロシアや北朝鮮は、公然と核兵器使用をちらつかせている。核の開発と核兵器使用を望む国々は、実際に後を絶たない。力には力で核には核で対抗するのが、パワーポリティックスだ。 

 創価学会第2代会長戸田城聖は、1957年9月8日に神奈川県の三ツ沢競技場で開催された「若人の祭典」で、「原水爆禁止宣言」を発表した。この中で戸田は「いかなる者であろうとも、原水爆を使用するものは悪魔であり、死刑に処すべきである」と激越に叫んでいる。

 言葉尻だけを取ると、過激な表現に聞こえる。だが、道理であろう。一体誰に、核兵器を使用する権利があるというのか。軍事や経済力の強者が、その弱者を裁くことなど出来ない。当然、核兵器で抹殺されていい民族や人種など、あるわけがない。

 心の中に平和の砦を築くことは、至難である。そのためには、万人の心の中に仏や神が内在するという哲学を共有する以外にない。