「温故創新」240214 N1393伊波喜一

就活も 親子で決める 新世代 親の関わり どこまでゆくか 

 窓から差し込む陽が暖かい。1年で一番冷え込むこの時期に、こんなに暖かいのはどうしたものか。この夏の暑さが気懸りである。

 新規採用で、学生優位の売り手市場が続いている。そんな中、内定辞退や早期離職を防ごうと、保護者向けの説明会「オヤオリ(親向けオリエンテーション)」や、企業が保護者に内定の確認をする「オヤカク」が広がっている。

 昭和に就職した筆者世代とは、様変わりである。社会人経験のある親世代を相手にするとなると、企業側も生半可な対応では済まない。不備な点や曖昧な点は、たちまち見抜かれてしまう。

 また、パワハラなどのハラスメントも、新入社員の後ろにいる保護者の顔が浮かべば、自粛へと手綱を引き締めるだろう。

 「就活に関心がある」と答えた保護者は71%もあり、関心が高い。 ただ、保護者の同意を悪用されて、学生が離職の自由を狭められるようなことがあっては絶対にならない。

 世の中には、善意を悪用する輩が実際にいる。保護者にとって、我が子の就職は一大事である。就職に失敗すれば、子どもが自立出来ず、いつまでも親の負担が続く。その心理を突かれたら、保護者は一たまりもない。会社の望む方向へと、言葉巧みに誘導されないと一体誰が断言できるだろうか。だからこそ、保護者は我が子可愛さに盲目になるのではなく、客観的に判断する眼を持ちたい。