「温故創新」230806 N1250伊波喜一

連れ去られ ロシアの家庭 引き取りて 子どもの人生 弄ぶかな    

 78年前の暑い夏のこの日、広島に原爆が投下された。だが、凄惨な被害をもたらしたこの惨状が、忘れ去られそうになっている。原爆を使用することは悪魔の所為であり、何人たりとも許されない。 

 国際刑事裁判所(ICC)は今年3月、ロシアのウラジミール・プーチン大統領とマリヤ・リボワベロワ大統領全権代表(子供の権利担当)に、逮捕状を出した。この背景には、ロシアが1万9千人ともいわれるウクライナの子どもを自国に連れ去っている事実がある。

 連れ去られた子ども達は、「レクリエーション・キャンプ」と呼ばれる施設に送られる。

 ここで子ども達は「あなたたちはウクライナに捨てられた」「ウクライナはネオナチの国だ」と、洗脳される。施設を出るとロシア人家庭の養子となることも多く、姓が変わる。そのため、ウクライナに残された親が子どもの行方を辿ろうにも、極めて困難となる。

 保護者や子どもの意思に反して、ロシア当局はこのような非道を行っている。残酷で陰湿で憎悪とウソに塗り固められた洗脳教育で、子どもを戦争の手段や道具に仕立てる。

 親はどれだけ我が子が心配だろうか。子どもはどれほど心細いだろうか。考えるだけで、胸が苦しい。このような悪逆な行為は、決して許してはならない。ICCの活動を支援するのは当然の事である。

 ロシアから一歩でも出ようものなら、2人を即刻逮捕すべきである。