「温故創新」230805 N1249伊波喜一

懐かしい 写真の奥に よみがえる 心に滲みる 笑顔じわかと    

 連日の暑さに、ほとほと参る。今月末までこの陽気が続くとの予報だが、これでは農作物も日焼けでやられてしまう。心配である。

 A小でお世話になったIさん宅を訪ねた。来週のお盆を控えお忙しい中だが、ご厚意で弔問させていただいた。

 スポーツマンでさっぱりした性格のIさんは、地域の小・中学校のPTA会長や青少年委員などの要職を歴任された。柔らかな物腰の中に芯が通り、妥協はしないが譲るところは譲る。調整役も巧みであるとなれば、回りがほって置かないのも無理はない。

 そして、手柄を自分のものとせず、功を譲る。周りに人が集まってくるわけである。そのIさんが3年間の闘病生活を経て、亡くなった。奥様やご家族、ご親族の心の痛みは、いかばかりだったことか。回りの知人、友人も同様であったろう。 

 ご霊前には、笑顔のIさんの遺影を飾ってあった。在りし日のIさんを彷彿とさせる、素敵な笑顔だった。思わず笑みがこぼれてしまった。その写真を見ながら、思い出話に花が咲いた。Iさんの優しい心遣いと人柄にふれた人達も、その温かさが残り続けてゆくだろう。 

 仏法では「生死不二」と説いている。生も死も物事の表と裏、昼と夜のように現象面を変えながらも、途切れることなく連綿と続いてゆく。そして、一人ひとりの心に生き続けてゆく。

 Iさんと出会えたことを、天に感謝している。