「温故創新」240203 N1386伊波喜一

大国の エゴ丸出しで 苦しむは 幼き者と 高齢の身よ 

 久方ぶりの雨で、空気が湿っている。寒さが戻ってきたように感じるが、それでも例年に比べて暖冬である。気候不順が気にかかる。

 国連衛生センター(UNOSAT)は1日、衛星画像に基づき、パレスチナ自治区ガザの状況を分析した。それによると、全ての建物の30%にあたる6万9147棟が破壊された。その内、全壊したのは2万2131棟に上る。信じがたい暴挙である。

 人口の多い北部のガザ市や南部のハンユニスなどで、深刻な被害を受けている。ハンユニスでは食料の配給を受けようと、子ども達が並んでいる。年齢は推定するしかないが、小学生から高校生ぐらいだろうか。プラスチック製の容器や金属製の鍋を1個だけ手にして、配給所に並んでいる。着の身着のままで、寒さと飢えと感染症に晒されながらも、生きるために必死である。

 この子達には帰る家も、頼れる家族もないかも知れない。学校で机を並べていた友達を、失っているかもしれない。これから、一体どのようにして生きていくのだろう。将来の夢を、現実のものとしていけるのだろう。

 ネタにエフ首相は、パレスチナとの2国家解決案を拒否している。ハマスを撲滅するまでは、攻撃の手を緩めないと宣言している。

 これでは今後、戦禍はさらに拡大する。幼き者や体の弱い者、高齢者にしわ寄せがいく。停戦合意を進める手立ては、ないものだろうか。