「温故創新」231226 N1357 伊波喜一

1年を 言葉1文字 振り返る 善悪ともに 想い出されん        

 朝起きると、車一面にびっちり霜が降りている。底冷えするわけだ。

 今年を表す漢字に日本は「税」、台湾は「欠」、マレーシアは「貴」が選ばれた。それぞれの国で、物価の高騰に必死で生活を防衛をする庶民の様子が映し出される。

 筆者は、今年を表す漢字に「争」と「育」を挙げる。「争」は紛争が続くウクライナであり、ガザ地区に象徴される。これらの地域では「争」に続いて、「憎」「壊」「獄」なども連想される。人々の心の奥底に、深い闇が澱のように溜まり続けている。 

 一方の「育」には、「成育」「教育」「育成」という願いを込めた。戦闘の悪化で、ガザでもウクライナでも学びの機会が失われている。にもかかわらず、子ども達は教科書を広げ、ノートに懸命に書き込んでいた。「将来の夢は?」と問われると、「医者になって、怪我や病気の人達を助けたい」と即答していた。

 愚かな指導者が人々を戦争に駆り立て、人の心も文化も、そして国土も破壊しつくしている。だが、子ども達は自身と自国の将来に夢を描き、そこに希望を託している。

 筆者に今出来ることは、限られている。それでも、未来を担う子ども達を育むことに、援助は出来る。「人道」を自身の言葉に置き換えて、出来るところからやれば良い。時間も手間もかかるが、今蒔いた種は確実に花開く時が来る。焦らず、継続してゆくつもりでいる。