イスラエル 陸海空の 奇襲戦 和平立ち消え 紛争再燃
1日中、雨が降っている。真夏から初冬に一気に季節が過ぎていく。
パレスチナ自治区ガザ地区を実効支配するハマスが、イスラエルに大攻撃を加えた。イスラエル領内に侵攻し襲撃を繰り返した。イスラエルはガザ地区に報復空爆を行い、双方に多大な犠牲者を出している。
昨年末に発足したネタニヤフ政権は、強硬に対パレスチナ政策を進めてきた。ヨルダン川両岸を中心に激しい「対テロ作戦」を展開し、市民も犠牲になった。
またイスラエルは2020年、アラブ首長国連邦、バーレーンなどと国交を正常化を果たした。サウジアラビアも、イスラエルとの関係へ向けた交渉を行っている。それに対して、イスラエルの建国を認めていないハマスは、孤立を恐れている。
現在、イスラエルとパレスチナ解放機構は93年のオスロ合意に基づき、2国家解決を目指している。しかしこれまでに、パレスチナ人が住んでいた土地にユダヤ人が力づくで行ってきた入植問題があり、衝突を繰り返してきた。パレスチナはイランが後押ししており、和平のメドが立っていない。
米国はイスラエル支持を表明し、空母を地中海に派遣している。イスラエルが地上戦を強行するならば、さらに多くの民間人が犠牲になる。米国も中国も中東諸国も慎重で賢明な外交をしていかなければ、国際紛争に発展しかねない。極めて、危険な状況にある。