「温故創新」221005 N1119 伊波喜一

古代人 ゲノム解読 人類の 祖先と交雑 共通祖先             

 今日から東京は、雨が続く。昨日が最後の真夏日とかで、これから一気に秋めいてくるようだ。衣替えが間に合わない。

 絶滅した古代人のゲノムと人類の進化は、密接に関係している。このことを、独マックス・プランク進化人類学研究所のスバンテ・ペーボ氏が証明した。ネアンデルタール人は約40万年前から3万年前まで、ヨーロッパやアジアに住んでいたと言われる。

 ペーボ氏はアフリカ人をのぞく人類の全DNAの1~4%が、ネアンデルタール人から受け継がれていることを突き止めた。つまり、現代の人類の祖先は、ネアンデルタール人と交雑していたということである。

 また、ネアンデルタール人の[OAS」という遺伝子の特徴を受け継いだ人では、新型コロナウイルスに感染しても重症化しにくいという研究成果も発表した。

 OASは、粘膜における接触じんましんである。果物や生野菜に含まれるアレルギーを起こすアレルゲンが、口の中の粘膜に触れて起こるアレルギー反応のことである。これなど、古代人の遺伝子が、現代人の免疫反応に影響を及ぼしていることを証明している。

 人類は複数の人種に枝分かれしている。しかしその起源を辿っていくと、遠い過去から密接に繋がっていたことが分かる。

 互いにいがみ合い争うことほど、愚かな事はない。