「温故創新」210920 N885 伊波喜一

大陸の 3集団の 遺伝子が 混じりて今の 日本人あり     

 台風一過、連日の晴れ間である。今日は敬老の日である。コロナ下で外出に一定の制限はあるものの、戸外の空気を吸う機会があれば最高だ。

 7月にホームに移った父とは、緊急事態制限のため面会が出来ない。せめてもと、脱ぎ着がしやすくて温かいベストに、孫達からの手紙を添えて届けに行った。毎晩、電話で声は聞いているが、やはり顔を見るとホッとする。ホームの生活にも徐々に馴染んできているようで、過ごしやすいとのことだ。何よりである。

 金沢大などの研究チームが、現代人は大陸から渡ってきた3つの集団を先祖に持つことが分かったと発表した。

 縄文、弥生、古墳時代の遺跡から出土した人骨のゲノム12人分を解析したところ、次のような事が分かった。

 約9千年前までの早期の縄文人は、2万~1万5千年前に大陸から来た1千人程度の小さな集団だった。2千年前の弥生人には、北東アジアの集団との混血が見られた。

 1千4百年前の古墳人は、東アジアの集団と混血していた。このことから、現代日本人はアジアをルーツに持ち、互いに深く関係していたことが分かる。

 イデオロギーの違いや感情の齟齬はあろうが、祖先が交流していた事実が知れたのは興味深い。