「温故創新」210624 N797 伊波喜一

抗体の 出来る期間が 勝負時 接種後にも マスク予防を              

 誰が植えたのだろう。道端の花壇に、パンジーが咲いている。黄と紫のツートンカラーが、目に鮮やかだ。

 コロナ下の中で、心洗われるひと時である。 

 五輪開催に向けて、コロナワクチン接種が急ピッチで進んでいる。ワクチンの効果を考える上で、3つの注意すべきポイントがある。

 1つ目は、打ってから感染を防ぐ力が生じるまでの時間差である。 

 1回目の接種から12日前後を境に、感染率が下がる傾向が見られる。つまり、抗体ができるまでにそれだけの時間がかかる。それまでは、接種していない人と同じくらいの頻度で発症してしまう。

 2つ目は打つ回数である。ワクチンは2回打つことが前提で、1回だけではパワーが十分とは言えない。1回だけでは、約70%に効果が見られないケースもあった。

 3つ目は、2回の接種を終えても100%感染を防げるわけではない。無症状だが、感染している例も相当な数に上る。

 ただし、1億4千万人が接種を終えた米国で、感染が分かった人の割合は0.01%になる。

 これはワクチンの有効性が、発揮されているということだ。 

 集団免疫の実証には時間をかけ、安全性を確かめなければならない。

 同時に、科学的根拠を築く人的努力もまた、求められていくのではないだろうか。