「温故創新」210919 N884 伊波喜一

何気なく 咀嚼すること 話すこと 歯の働きが 大切なりき     

 湿度が高いのか、日中は結構蒸す。喉に乾きは覚えないものの、体内から水分が蒸発していく。小まめな水分補給が必要である。

 ヨーロッパ歯周病学会が今年2月、新型コロナウイルスに感染した568人を対象に調査した。

 その報告によると、歯周病にかかっている人はそうでない人に比べて、いろんな点でリスクが高いことが分かった。感染症による死亡リスクが8.81倍、集中治療室を要するケースが3.54倍、人工呼吸器などの補助を必要とするケースが4.57倍に及んだ。

 歯周病菌が出す酵素は、歯肉などの粘膜を傷つける。そこから、ウイルスが侵入することが分かっている。

 歯の健康を維持することは病気から身を守るだけでなく、自己免疫力を高めることと同意であることが分かる。

 ちなみに奥歯1本喪失するだけで、噛む効率が40%も損なわれるという。歯が無ければ、すり潰したりちぎったりも出来ない。それだけ大切な歯を筆者はどれだけ大切にしてきたかと、忸怩たる思いだ。 

 コロナ下では、どうしても人と話す機会が少なくなる。

 そんな時だからこそ、新聞でもスマホでも、何でもいい。声に出して、自分のペースで一人読みをしてみる。口径を大きく、美しく動かすよう工夫してみるとよい。

「言葉に感応して心動く」という。心も軽くなっていくだろう。