「温故創新」220111 N988伊波喜一

欲望の 追求無限 限りなし 物質文明 行く末見据え      

 手術のため上京してきた義弟夫婦を迎えに、羽田空港に行った。オミクロン株が気になるところでもあり、PCR検査を受けた。唾液を検査し、4時間後にネットで結果が伝えられた。結果は陰性だった。

 際限なく利潤を求める現代資本主義。社会主義と対峙し、生産力の限りない発展に需要が追い付かず、10年ごとに恐慌を繰り返してきた。その度に、戦争が引き起こされた。

 じきに、資本主義は「情報化」を果たし、欲望のおもむくままに資源を貪り続けてきた。仏法で説く「貪・瞋・痴」である。人の本性に根ざす、貪り・怒り・愚かな傾向性を助長すれば、どうなるか。

 本来、有限である地球の資源を無限に貪り尽くせば、枯渇するのは目に見えている。

 飢えや伝染病で命を落とす人達がいる一方で、人が排出するプラごみや核兵器劣化ウランが環境を汚染する。限りない欲望追求は、他の生物や地球環境を巻き込んで破壊しつくしていく。

 人類はすでに、自らの生き方を変える岐路に立たされている。環境を意のままに食いつくせば、地球という惑星の寿命はすぐに尽きる。

 地球の寿命を永らえていくには、欲望を抑え、共存していく発想が不可欠となる。

 仏法では、環境と主体は密接不二の関係にあると説く。この依正不二の発想に、人類は謙虚に頭を垂れなければならないだろう。