「温故創新」220722 N1083 伊波喜一

ピーキング 課題達成 イメージを 力みを取って ベストに向けん    

 北欧では42度以上の酷暑が続いている。極度の乾燥から、山火事や穀倉地帯が燃える惨状ともなっている。偏西風の影響で、日本にも余波が来るとのことだ。

 世界陸上、たけなわである。世界トップクラスの競技は、どれを見ても面白い。それぞれの競技の特性を活かして、選手達はコンディション作りをしている。

 短距離と長距離では、序盤から終盤に向けての持っていき方が異なる。自身を最高の状態に持っていくために、選手もコーチ陣も必死で準備をする。これをピーキングという。選手達の力量は、紙一重と言っても過言ではない。ここ一番で力を出し切るには、一体何が必要なのだろうか。

 練習量、バランスのとれた食事、良質な睡眠は、好記録に不可欠な要素である。加えて、相手意識である。誰のために、何のためにこの競技に臨むのか。この原点を持っている人は、土壇場に強い。

 怪我から復活したあるアスリートは、これまでの練習メニューや筋肉の使い方を総点検した。今まで当たり前のようにやってきたことが、いかに多くの人の支えによって成り立っているかに気づかされた。その気づきが発奮材料となり、自己ベストを出すことが出来た。

 人は、人によって生かされている。人としての原点を見つめ直すところから、ピーキングは始まっていくのではないだろうか。