「温故創新」220723 N1084 伊波喜一

独自色 うなぎ養殖 自らの 知恵と工夫で 地産地消    

 朝晩は涼しい風が吹いている。一転、日中の暑さと湿度にはほとほと参る。乗用車内での子どもの置き去りなど、注意喚起が必要である。 

 土用の丑の日の鰻は、風物詩の一つである。国内産が減って、愛好家にとっては寂しい思いをしていたところだろう。そのうなぎ好きに、朗報である。

 うなぎの養殖事業に異業種企業が参入し、独自のやり方で量産化を進めている。うなぎの養殖に適した地下水の温度は、28度である。太陽光発電を利用すると、今までの電気代の10分の1で済む。何より二酸化炭素の排出もないので、環境にも優しい。

 また、ろ過した地下水を循環させて排水量を抑え、環境負荷の軽減を図る取り組みもなされている。

 絶滅危惧種に指定されているニホンウナギの稚魚「シラスウナギ」を育てる段階では、多くの成育不良の稚魚が出る。これらの稚魚を、水温管理などの技術で良質な成魚に育てている。

 このやり方だと成育不良稚魚を放棄することもなく、自然環境に優しい。何よりも、生きとし生けるものの生を全うさせることが少しでも可能となる。

 人と環境とは密接不可分である。人が勝手に自然界の生殺与奪をしていいわけがない。依正不二の原理を具体化するこのような取り組みに、技術力が生かされることは嬉しい。