依正不二 人類の知恵 思い出し 広げ過ぎずに 足るを知るこそ
窓外の欅の葉が茂っている。ここのところの雨に打たれて、薄緑の若葉が色づき始めた。
その中を、小鳥たちが賑やかに出入りしている。
マスクと手洗い、ソーシャルディスタンスが、社会の常識となってきた。これまでとは、社会通念が変わってしまった感がある。
こうなってみると、今まで大事にしていたことの意味合いが変わってくる。
これまでは、社会を円滑にするための飲みニケーションなどを、ある程度優先してきた。なぜなら、人と関わる力は社会に出るための原点となるからだ。
ところがコロナ禍を契機に、一人で生活し生き抜く力が求められるようになった。ある意味でこれは、人類の原点回帰ともいえる。
樹上で暮らしていた人類は、地上に降りてきた。そうすると、周りと協調して生活せざるを得なくなった。そのことで外向き志向になり、外からの情報を優先したライフスタイルが出来上がってきた。
歯止めの効かないイルミネーションのようなその危うさに、コロナはストップをかけた。本当に必要な物と事は何なのか、一度立ち止まって考える機会を得た。
外に網を広げるのもよいが、自らのの足元を踏み固めることこそ、今求められているのではないだろうか。