「温故創新」230713 N1233 伊波喜一

是正する 利害に傾く 生き方を 宗教の価値 自利のバランス  

 集中豪雨や熱波など、気候変動への取り組みが世界的な課題となっている。SDGsの目標17には、「パートナーシップで目標達成」が謳われている。

 その中に、宗教者のネットワークである国際環境NGO「グリーンフェイス」がある。気候変動に伴い、再生可能エネルギーに切りかえるなどの運動を、世界110サークルで行っている。

 この中でハーパー事務局長は宗教の役割について「『個人の心の平穏』と『社会の安穏』は繋がっている」とコメントしている。

 これは仏法の説く『依正不二』の原理と同じである。依は環境、正は人間を指す。環境と人間とは密接に関連しており、お互いが影響を受け合うことをいう。

 また事務局長は「宗教が持つ偉大な力の1つは、困難に挑戦する力を人々に与えられる点」と話している。日蓮の「立正安国論」は、まさにその事を行動で示している。

 これまで日本では、宗教を自身の救済という狭い範囲に閉じ込めてきた。しかし、世界規模で起きている環境破壊や紛争などを解決するには、政治も含めた世界全体での意識変革が求められる。そしてその変革は、あくまでも個人の意識変革からスタートしていかなければ、長続きするものではない。

 大地を踏みしめた活動があってこそ、結実も得られよう。