「温故創新」210616 N789 伊波喜一

G7 協調路線 戻りつつ 米中対立 欧州警戒            

 通勤時の風が心地よい。自転車のペダルを快適にこぐ。照りつけられる夏の暑さが来る前に人心地つく。14日から東京も梅雨入りした。 

 英国コーンウォールで開催していたG7が閉会した。

 宣言では世界情勢を視野に、中低諸国へのインフラ投資とともに、世界に10億回分のワクチン支援を約束した。

 また、中国の新彊ウイグル地区や香港に対する民主主義の尊重を、中国に求めている。

 これに対して、仏国マクロン大統領は「G7は中国に敵対的なクラブではない」とし、「アフリカの債務問題や気候変動では、中国を多国間協調の枠組みに取り込まなくてはならない」と述べた。

 またランサムウェア(身代金ウイルス)への協働では、ロシアへの責任を問うている。

 最後に東京五輪パラリンピックをコロナに打ち勝つ世界の団結の象徴として、開催を支持した。 

 冷戦後、国際秩序を支えてきた民主主義や人権尊重、自由な言論といった価値観が、中国に脅かされてきた。そのことへの懸念が、今回G7の意義を浮き彫りにした。 

 ただし、G7各国ともにポピュリズムや格差拡大など、内政に課題を抱えている。これら民主主義の根幹を成す課題をどう解決していくか、G7の目的が問われている。