「温故創新」220531 N1045 伊波喜一

先端の 研究特化 肝入りの 産学一体 大学ファンド    

 昨夜来の雨も上がり、今朝はかなり湿度が高い。満員電車の車中は、扇風機のお陰で辛うじてしのげている。が、体がちょっと触れただけで、不快になってしまう。

 世界最高水準の研究力を目指す大学に、10兆円規模の大学ファンドで支援すると、国は発表した。これを前に、5月18日に国際卓越研究大学法が国会で成立した。この背景には、研究開発で出遅れている日本の研究を、国際レベルにまで高めたいとの願いがある。

 懸念されるのは研究が、「稼げる研究」に特化しないかである。基礎研究は地道で目立たず、無駄が多い。成果がすぐに出るものならいいが、そういう目立つ研究は既に先鞭がつけられている。雨後の筍のように乱立し、無用な競争原理にさらされかねない。

 また、特定の大学に研究が偏ることも考えられる。研究の原資があるところに、人は集まってくる。特定の大学に金も人も成果も集中したのでは、人材が偏ってしまう。大学や研究機関、何といっても人材が集中する都市部は、その点でも有利に研究を進められる。

 さらに、研究の継続性の課題がある。研究は続けてこそ、成果が得られる。一定の時期を過ぎたら研究を打ち切りでは、積み重ねが出来るはずがない。

 将来設計の上からランニングコストを考え、事業の継続を考えていかなくては、成果を得られないだろう。