「温故創新」220409 N1024 伊波喜一

子ども等に 苦労させじと 働きて 職人の手よ 穏やかに逝く 

 朝から陽射しが強い。動くと汗が吹き出る。ところが、夜は冷える。小さいころ小児喘息で苦しんだが、この寒暖差で咳が出てくる。体が冷えたり疲れたりすると、喘息の初期症状のようになる。

 無理をするな、ということかも知れない。

 午後10時15分、義父の新徳が老衰のため亡くなった。91歳だった。誤嚥性肺炎で入院したものの熱が下がらず、退院できるかどうか気を揉んだ。

 持病や健康状態から判断し、自宅で看取ることを決断した。急ぎ、地域包括支援センターと連携を取った。上さんも義父の亡くなる2週間前から実家に戻り、受け入れの準備をした。

 その間、運よく熱も下がり、退院の許可が下りた。自宅での受け入れ手続きや人手の手筈が整い、義父が自宅に戻ったのが7日。それから自宅で一晩過ごし、翌日の夜に亡くなった。

 きっと、自宅に帰るのを待ちわびていたのだろう。自宅で子孫に囲まれて、周りの手を煩わせることなく静かに旅立った。

 職人だった父は、子ども達を厳しく躾けた。反面、子ども達に教育を受けさせた。当時は今とは比較出来ないぐらい、生活する事が大変だった。にもかかわらず、子どもの教育に力を入れて本当に立派だと思う。

 子ども達に将来の道を拓いた義父に、感謝が尽きない。