「温故創新」220420 N1025 伊波喜一

義父逝きて 初七日法要 過ぎ去りぬ 在りし日思わん 遺影微笑む    

 昨日の豪雨は凄かった。大量の雨が、数時間にわたって降り続いた。まるで、スコールのようだった。春の長雨という風情とは、ちょっと違うようだ。

 義父の葬儀が終わった。あっという間に、初七日が過ぎていったように感ずる。これから折りにふれて、在りし日の姿が思い出されることだろう。

 腹を抱えて笑うことが、ほとんどない人だった。滅多に笑顔を見せなかったが、はにかんだ時の恥ずかしそうな笑い方に義父の真っすぐな性格が表れていて、好ましかった。何せ、昭和一桁生まれである。思ったことを、上手に表すことが不得手だ。むしろ照れ隠しで、怒ったように表現することが多かった。

 しかし、孫達はそういう義父の性格を知っているので、慕っていた。オベンチャラを言えないが、自分の事を思って真っ正直に諭されたことが、無性に懐かしい。

 法要に用いられた写真では、義父が会心の笑みを浮かべている。喜びをストレートに出していて、邪気のない笑顔が印象的だった。焼香に来られた方々から異口同音に、「素敵な笑顔ですね」と声をかけられた。融通は利かなかったものの、愚直で働きものの義父。正しくないことには、一切媚びなかった義父。

 その義父の思いを、少しでも後世に伝えていければと思っている。