「温故創新」220117 N992伊波喜一

大手術 働きものの 心臓の 弁膜再建 命の現場         

 朝晩の冷え込みで、車のフロントガラスに霜が張り付いている。外気温が、マイナス3℃を指している。どおりで、深々と冷えるわけだ。

 義弟が心臓の手術をした。自己心膜による大動脈弁再建術と、上行大動脈人工血管置換術の大手術である。

  これまで大動脈弁がきちんと閉まらないため、心臓がオーバーワークをしてきた。その結果、大動脈が肥大していて、破裂する可能性が高かった。ただ大手術だけに、決断するのにためらった。

 手術方法や時期をめぐって主治医と相談した結果、手術が半年早まった。運にも後押しされ、オミクロン株が大流行する手前だったので、病院側の手術の受け入れが可能だった。

 当日は執刀医、麻酔医、看護師を含め、大勢の協力体制で手術が行われた。途中、心臓を止めて人工弁に取り換えるため、一つのミスが命取りになる。緊迫した状態が続いた。

 開胸してみると、執刀医の予見通り大動脈が肥大しており、無理していた様子が見て取れた。手術は8時間かかった。出血等の異変がなく、予定通りに手術が終えられたことに深く感謝する。

 心臓は1日に10万回も鼓動を打ち、命を永らえる。その働きに思いをいたし、労わっていくことが、心身ともの健康につながる。

 睡眠・食事・適度な運動でこの身を守ることが、どれだけ大切か。健康でいられることの有難さを、痛感した一日となった。