「温故創新」220114 N991伊波喜一

これまでの 発想変えて みるべきか 相手の立場 思い寄せなん         

 戸外の空気が、ピンと張りつめている。凍ってはいないものの、気温はマイナス2度を差している。寒いわけである。

 オミクロン株が感染を拡げている。専門家の予想した通り、国内でもたった1日で2万人規模にまで達した。

 インフルエンザの40倍強の感染力があり、医療機関が逼迫するのも無理はない。空気感染を防ぐ努力を、続けることが大切である。 

 かつて日本は「モノづくり大国」とよばれた。斬新さと耐久性で、他国の製品を凌駕した。今ではその影もない。

 これは「モノづくりからコトづくり」へと、切り替えられなかったからである。製品開発を発想する担い手が、大手企業や男性中心であることが指摘されている。

 組織形態も、トップダウンが常態化している。これでは、新しい発想が浮かんでも、発想を具体化することは難しい。

 人はナゼ、集まって飲み食いをしたがるのか。講義形式より、座談会を好むのか。それは、柔軟な発想をぶつけられるからである。1つの理論のもとに、ああでもないこうでもないと発想を膨らませることこそ、楽しいのだ。婦人雑誌のアイテムなどを眺めていると、柔軟な発想から生み出された商品が少なからずある。

 モノを生み出す原点や背景には、コトの思いや歴史が詰まっている。このことを忘れて開発しても、想は膨らむまい。