「温故創新」211217 N973 伊波喜一

不可能を 可能にするか 不可思議な 脳の働き 無限大かと  

 朝晩の冷え込みが堪える。サクランボの葉はほとんど散った。楓の葉は、一風ごとに飛び散っていく。これから3月末まで、寒さが続いてゆこう。

 「メタ認知」とは、自分自身を客観的に認知することをいう。このメタ認知が、人間の成長には欠かせない。今の自分の状態を、他者の目から見て客観的に捉えることが、羅針盤の役目を果たす。  

 ただし、人間は1日に6万回も思考すると言われている。何かに意識を集中させて、思考する場合もある。

 反対に、次から次へと感情が湧き立つこともある。これを仏法では煩悩と表現しているが、言い得て妙である。これは思考というより、堂々巡りの想念とよんだ方が実態に近い。

 疲労し混乱した脳の働きを、生き生きと整理した状態に戻すには、自分を見つめる時が必要となる。内観し、本来あるべき姿へと自身を振り返る。これは、祈るという行為の中に含まれている。

 現代人は時間に追われ、効率化を急ぎ、深く考えずに生きている。人の生死さえも、一過性の出来事に過ぎない。

 過去から未来に思いを寄せ、祈りを深める時に、脳の神経細胞は飛躍的に活動し、網の目のように互いを関係づける。

 小さな脳の働きには、無限大の可能性が秘められている。そのことに、感嘆の念を禁じ得ない。