「温故創新」211216 N972 伊波喜一

認知症 孤独感じて 高まるか 脳の本質 繋がることと  

 北国の夜は氷点下を記録している。寒波が下がってきて、寒いわけである。日中の寒暖差と乾燥には、くれぐれも用心が必要だ。

 人間の脳の重さは、体重の2%ほどである。ところが、身体全体の25%のエネルギーを使う。そのため、使わない回路は極力、省エネをする。

 その分、使われる回路はどんどん発達し、新しい回路を使ってショートカットする。それだけ、脳は効率化を図っている。脳は積極的に行動や経験を取り入れて、自らの限界を変えていく。

 面白いのは日頃の意欲や心の持ち方で、脳の働きが変わるということだ。パラリンピックのアスリート達を見ていると、そのことを実感する。

 事故や怪我、病気で、アスリート生命を絶たれるような悲惨な状況に置かれる。普通ならそこで諦める。

 しかし、アスリート達は諦めない。極限の状態から、這い上がってくる。障害に気持ちが負けないことで、脳は心身共のリカバリーを行う。たとえ現実は厳しくとも、脳はなりたい自分の方向へとニューロンを伸ばし続ける。

 脳のこの繋がる力、ミラーニューロンが孤独化を防ぐ防波堤となる。 

 自らの一念が変われば、働きが変わる。脳の本来持っている繋がる力を発揮できれば、認知症予防の一助となろう。