「温故創新」200212 N381 伊波喜一

競争と 調和のバランス 悩ましく 殻を破るか 一歩踏み出し

 日本では今、就学期の不登校と中高年の引きこもりが課題となっている。政府はこの事に、どれだけ危機感をもっているだろうか。 

 セロトニンは、ドーパミンと並ぶ脳内の重要な神経伝達物質である。気分の安定に、重要な働きをすることが知られている。セロトニンの働きが滞ると、不安症や抑うつ症に陥りやすい。民族によって、セロトニン伝達物質の含有率が異なる。韓国人と日本人はセロトニンが少なく、そのため不安感や抑うつ傾向が強いと言われている。真面目で周りの目を気にし集団行動を取りがちなのは、そのせいでもある。 しかし、これはあながち悪いことではない。相手の意見を尊重し協力して事に当たるなどは、長所でもある。日本のように狭い所で多くの人が暮らす場合、互いが角突き合わせていたのでは、まとまる話もまとまらない。その一方で、慣例主義や忖度・物言えば唇寒しという現状では、発展性が全くない。要はそのバランスである。 明治の開国以来、第三の外圧といわれる今日、内輪向けの議論からは何も生まれない。創新のためには異論を拒まず、むしろ積極的に異論をしかけることが必要ではないか、そう思う。